元です。

親戚が転職で海外へ行くということで、久しぶりに集まる。八王子まで行く。お店は懐石の鶯啼庵以前行った、高尾のうかい亭や、小さい頃たまに連れていかれたいろりの里のように、大箱、個室中心、庭や自然も含めて楽しむタイプのお店は、東京都下には結構あるんだろう。しかし、いろりの里って今どうなってるんだろう。囲炉裏を囲む個室の座敷の窓を開けると、小さな汽車に乗ってやってくる料理たちが子供心にはすごく楽しかったなあ。

そんな事を思い出しながら、お店に着く。タクシーで「鶯啼庵」といえば、すぐにわかるメジャーな店らしい。

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タクシーはこの入り口で止まらず、中の入り口まで、門をくぐっていく。

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親戚一同よりは早くついたので、庭を散歩する。もうすこし経つと、赤と茶とが入り混じった紅葉が綺麗な景色になるんだろう。広い庭には池もあり、船が浮かべてある。ゆっくり1週すれば、30分くらいは楽しめるだろう、スペース。

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入り口を入ると、その庭から流れ込むサラサラとした水の流れが清々しい。

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席は20席ほどの部屋。外には庭を望む。箸袋の横には秋の香り。

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先 附は、右奥にちらりと隠れる松茸寿司、月見団子、丸十、小芋、蓮根餅、銀杏、むかご。いきなり秋の全開で、目にも気持ちよい。

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向 附は、紅葉鯛削ぎ造り、松笠烏賊。実はすでにこの辺で、楽しくて、うれしくて酔いが回ってる。

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煮物椀は松茸土瓶蒸し。

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中には車海老、鱧、鶏肉、銀杏、三つ葉が。酢橘絞ってすする。

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焼物は真名鰹の柴焼、椎茸肉味噌焼き、菊蕪、はじかみ生姜。料理に対するコメントが無いのは、酔っててあまり覚えてないから。

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鉢物は、たらば蟹揚げ真丈の菊花あん掛け。

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食事は雑炊。松茸雑炊菊花散らしで目に美しい。松茸は季節とあって、各料理にふんだんに振舞われる。

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水菓子として、斑鳩柿(いかるががき)のムースと、洋梨羊羹、 巨峰が。以上。

正直酔って味を覚えてないところもあるのだが、気持ちいい時間を過ごせたことは間違いない。味はもちろん、料理とそれを囲む部屋、それを囲む庭、すべてが地続きになって、季節を感じる設計になっている。四季の移り変りを意識させられ、年月の流れを感じて、親戚との過去の思い出を振りかえる演出になっているんだと。季節を大事にする懐石料理と、時を感じたい人との集まりのマッチングは素晴らしいのですねー、などと思う。

オススメ度:★★★☆☆
予算:10,000円〜
八王子・懐石料理「鶯啼庵」
042-691-5500
八王子市尾崎町129