元です。

先週、今週と焼肉屋の新規に2店行った。いずれも割と信用の置けるランキングサイトで評価の高い店だが、行ってみた感想は”いたって普通”。かたっぽは東銀座のディープな焼肉屋、もうひとつは広尾の日赤通り沿いの比較的新しいお店。

以前、肉は見かけで判断するなという、肉に対する思い込みを書いたのだけど、この2店に行ってみて、改めて思うところがある。

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前者のディープな焼肉屋は、肉質のよさではなく、普通レベルの肉パンチの効いた強い味で美味しく食べさせる店だ。メニュー数が少ないので一通りの肉は食べたのだが、肉自体のクオリティはさほど高くない。だけど、その肉の特徴を知り、その肉を美味しく引き立てる工夫には余念がない。タンには珍しく網目状のカットが入れてあり、(サクサクとしたタンの質のよさは味わえないが)柔らかく独特の食感で仕上げてある。味付けも塩のモミダレと強い胡椒で肉をこれでもかとコーティングしてあり、肉を押さえつけるように”調理”されているのだ。

昭和の古い喫茶店の居抜きのような焼肉屋らしくない狭い店内、ぶっきらぼうで愛想がないが肉にはこだわっている風情の店員さんは、それなり焼肉屋としてのしずるを発しているのだが、肉自体の美味しさという意味で冷静に考えるならそれほどでもにない。肉がつまめる居酒屋としてなら、まあ行ってもいいのだろうが。

そんな意味でお店の内装や雰囲気、そんな見かけにだまされそうになるお店。この東京のど真ん中銀座でこの古びた雰囲気で続いているってことは、絶対美味いはずだ、という連想が自然と働くから。

 

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もうひとつの広尾の店は、それとは逆に非常に綺麗で、店員さんの気遣いと誠意が非常に伝わるお店。1人分のスペースに余裕を持たせた個室がずらっと並んで、落ちついて、周りを気にせずゆっくり焼くことができる。

そして、肝心の肉だが、綺麗な器に盛られて出てくる肉は、お肉屋の経営する焼肉店というだけあって、サシの綺麗に入った見事なお肉。プレゼンテーションが素晴らしいのである。ここまでで内心「ああ、この店は間違いなくうまいはず」という気になってくる。

しかし実際焼いて食べると、赤身も脂身も味がいたって普通。その肉の質自体が高くないのだ。見た目の綺麗な、いかにも美味しそうな肉が焼いて口に入ると、それほどでもない。加えてカットがいまいち、筋が残っていたり、はじの脂の落とし具合が足りなかったりしている。

広尾の立地にして全体としてはリーズナブルなのだが、安いなりの肉という気持ちに落ち着いてしまう。残念。

肉屋直営、食肉業者を絞り込んで生産者の顔をアピール、個室で落ち着くし対応もいい。出てきた肉も綺麗。ここまで来て最後に肉質が普通となるのだ。

やっぱり本当に素晴らしいお店というのはなかなかないもんですな。