【2008年1月訪問】

元です。

予約の電話さえ繋がらないカンテサンスに見切りをつけ、妻の誕生日に行ったのはミッシェルトロワグロ。ハイアットリージェンシーは、最近のホテルには珍しく、レストランを上の階に置いてないようだ。1階のお店に入ると、レセプションでの対応のスムーズさを見てサービスは間違いなさそう、安心できる。

トロワグロは、

「前略)特に伝統的な日本料理と思い通じるところがあり、トロワグロの料理のフィロソフィーと出会うことで一つになりました。たとえば、フランス料理にはかつてなかった、甘味と酸味のほのかなアクセント、日本料理から得たヒントが見え隠れする、風味の余韻が長くただよう素晴らしい経験をお楽しみいただく、それがミッシェル・トロワグロの料理なのです。」

という料理コンセプトが表すように、柑橘類やハーブをほとんどの皿に使っていて味の広がりやアクセントが面白い。1皿の中で”色んな味がする”料理の数々。料理のプレゼンテーションも美しくて、”家では食べられない料理”が外食の魅力だとするなら、そのひとつの極みだろうなと。

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テーブルに着いてシャンパンで乾杯。空っぽのお腹に染み渡るのは、発砲性だとなおさら。料理に期待する。

ディナーメニューのコースは3種。妻と僕でそれぞれ違うコースを注文。どうせなら楽しみつくしたい僕らは、必然的に違うコースをセレクト。皿ごとにお互いの勝ち負け決めたりして。

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最初に出てくるのは、どのコースも共通したフィンガーフード。手前は、トマトとハチミツのゼリー。その奥は、粉末状のトウモロコシを揚げたもの、一番奥は、セップ茸のカプチーノ仕立て。手前のトマトが酸味と甘みと旨みがあっていい。僕はこの3つの味のバランスのいいものがどうやら好きらしい。一番奥(って見えないけど)、この香りたつ泡状の仕立て方も多用されている。

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こちら「前菜の前の前菜です」と出されたスープ。かぼちゃの素材味そのままのシルキーなスープ。こちらには、マンダリンオレンジが入っていてマーマレードのようなアクセントがね、後半爽やかでいい。

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妻の「前菜の前の前菜」は、鮪。炙ってあり、西洋ワサビのムース上のソース。胡瓜が添えられており、洋風のたたきってとこかな。

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僕の方のコースの前菜、三陸産帆立貝、雲丹とワカメのフィーヌメルバ。サクッとしたトーストの上に、ワカメと薄くスライスされた帆立が乗る。雲丹を乗せて食べるんだけど、色んな食感と味が一緒になってるのに、後味爽やか。雲丹が割りと淡白だったからキャビアの方が合うかも。

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妻の前菜は、フランス産セップ茸のクリスティアン セージの香り”サルティンボッカ”。ざっくりと半分くらいに切ったセップ茸の香りがいい。

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ワインは、シャトーオーマルビュゼ2003。重めが好きでボルドーのページ見るんだけど、正直ワインよくわからないんで、こういう同じシャトーのビンテージがずらっと並ぶリスト見たら、一番安いの、頼みます(^_^;)。

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僕の2品目は、フォアグラのヴェロア マロンとマンダリン添え 柚子風味。フォアグラはどこって感じだが、要は茶碗蒸し。スープのように見えるが、クリアなコンソメの下は、フォアグラがペースト状に隠れている。こちらも柑橘とハーブで、喉を通った後が爽やか。先味と後味、味と香りがグラデーションしているのは計算されてるんだろうなあ。

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妻の2品目、ブリヤ=サヴァランと黒トリュフのラヴィオリ ビーツのコンソメ。コンソメにビーツの赤が入って、綺麗な色のスープ。ブリヤ=サヴァランってのは、白カビのチーズの名前らしく、ラヴィオリにの中にいらっしゃる。

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僕の3品目は、アカザ海老の軽いポワレ 黒トリュフのクレームムース 洋梨添え。大ぶりな海老そのものが美味しい。火の入り方がいいのかも、食感もすごーくいい。

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妻の3品目。鮟鱇のロースト コンキリオーニのファルス オレンジフラワーの香り。

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僕のメインは、蝦夷鹿ロースとモモ肉 根セロリとグリオットのアシデュレ。この鹿がやばい美味い。鹿肉のロースのクセのなさがいいだけじゃなく、レアの加減が絶妙。逆に、モモはねっとりと煮込まれて濃厚。

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鹿には栗、ということで栗のグラタンがついてくる。

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妻のメインは、リードヴォーのリソレ アンチョビソース フヌイユと金柑添え。メインは完全に僕の勝ちだな、こりゃ。

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デザート前にチーズが盛り合わせられる。

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デザート。ライスペーパーに包まれた苺とチョコとピスタチオそれぞれのムースが包まれている。食感がフワフワ。

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僕のデザート2品めは、赤パプリカのヴルーテとフランボワーズのジュエ。フランボワーズのアイスは、さっぱりで甘いものをあまり食べない僕の好み。

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妻のデザート2品めは、胡桃の軽いムース グラスヌガー添え。事前にお願いしておいたらバースデープレートになっていた。

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最後は小菓子。

いずれも素晴らしい料理たち。各料理に柑橘類をはじめとしたフルーツとハーブで爽やかに仕上げていることと、ムース状のソースで香りと食感の面白さが印象に残るどれも秀逸な美味しさ。1皿1皿は「もうちょっと食べたい」と思わせるライトさなんだけど、最後はお腹も気持ちも満足する。とっておきディナーにはいいお店だろう。ガツンとしたオーセンティックなフランス料理も好きだが、こういうのも楽しくていいかも。16,000円と20,000円のコースは高いけども、値段なりの満足感が返ってくる。ランチはリーズナブルだが、内容はディナーに劣らず、のように見える。ランチがお得かも知れない。


オススメ度:★★★★☆
予算:20,000円〜
03-3348-1234
新宿区西新宿2−7−2ハイアットリージェンシー東京1F


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