【2009年3月再訪】

元です。

これほどに外れた場所のこれほどに古めかしいバーで、世界最高レベルのカクテルが飲めるのか!という驚きの日登美。一度行ってるのだけど、タクシーで通り過ぎてしまったほどの渋い店だ。看板には「スナック」と書いてあるのが、あくまでオーセンティックなバー。そしてこのバーも来年4月には消滅することが決まっている。居抜きでスタートしたバーの名残で「スナック」の文字が残るのだが、すでにオープン数十年。友人が「もぐろふくぞうの棲家」と称したのがまさにぴったりで、トイレ、ジュークボックスなど、雰囲気を作る要素が「汚い、古い」と表現されるのが普通なのに、この店の場合はすべてが「味わい」になっている。

江古田のやっちゃんで肉を堪能した後に、こちらにタクシーを飛ばす。

090318日登美ギムレット

喉が渇いて、モスコミュールを飲み干したあとは、ギムレット。こっから素晴らしいね。

090318日登美イチゴ

ドライなショートのあとに、食べ仲間の季節のフレッシュなイチゴのカクテルを一口もらう。甘いカクテルがどうも、という僕も、お酒は苦手という仲間も飲めるすっきりデザートカクテル。

090318日登美洋ナシ

こちらは洋ナシ。見ていると、リキュールも複数使っているんだけど、完成したカクテルの味わいはとっちらからず、まとまってる。一方ニュアンスの広がりもいい。

090318日登美マティーニ

マティーニで〆。

この日はマスターお得意のマジックこそ出なかったものの、某有名人のお付のバーテンとしてツアーに動向した話が面白かった。銀座の毛利さんとも、日本のバー文化を一緒に創った仲間のようだ。


【2008年10月訪問】

元です。

食事後に、友人につれていってもらったバー日登美。外観に「えっ!」と驚き、カクテルにまた「おっ!」と驚く印象深いお店。店名も含めて前に入っていたテナントのものをそのまま使っているもんだから、到着すると「スナック日登美」の文字が。しかもボロボロ。大丈夫か?と思って勇気を出して店内に入ると、しゃんとしたバーテンのおじ様が。そしてそこで飲むカクテルはとんでもなく美味いのだ。

081018日登美外観

一見でとても入る人はいないだろうという外観。しかしお店を出るときは、そのクオリティの高さに、逆に一見からお店を守っているように感じる。

081018日登美看板

看板もこの様子。こちらはスナックじゃなくカクテルラウンジと書いてある。喉が渇いていると告げると、最初はジントニックから。ここから不思議と美味い。ロングカクテルではあるけど、なんか違うのだ。

081018日登美カクテル02

ギムレットもまた相当美味い。きっちり4度で出すのが大事なんだそうだ。その温度も肌感覚で。甘いお酒はあまり得意ではないけど、どれを飲んでも美味いと感じるのは、温度や振る技術や、きっとそういうものが絡んでいるんだろう。

081018日登美カクテル03

フレッシュフルーツのカクテルも美味しい。イチゴのカクテルは酸味が立っていて、見た目のようにドロッと重たい感じがない。

081018日登美カクテル01

こちらのカクテルどれも800円か900円という価格帯もすごい。このクオリティを1,000円以下で楽しめるお店はなかなかないのではないか。おんぼろのジュークボックスから流れるくぐもったBGMもいい。こちらは4曲100円だけど、調子が悪いと3曲になってしまうのも愛嬌。更に興が乗ったマスターのマジックも面白い。

場所がはずれているだけに、なかなか来る機会に恵まれないかもしれないが、この店も来年まで、と聞くとまたチャンスを伺わざるを得ない。

日登美 (ヒトミ) (バー / 新井薬師前)
★★★★ 4.0

オススメ度:★★★★☆
予算:1杯800〜900円
新井薬師前・バー「日登美」
03-3388-1690
中野区上高田4-16-2