【2009年2月訪問】
元です。
フランス料理オタクの友人が定期的に訪れる予約困難店、カンテサンスにお誘いいただくことができ、喜び勇んで足を運ぶ。スペシャリテの山羊のババロアやブータンノワールが印象的。1コースのみで提供される料理はすべてにおいて創作の熱意がこもっているのだけど、技巧に走り過ぎない芯の強さがある。1皿ごとのワクワクがあるんだけど、安心感もある、そんな印象。グランメゾンの大箱とは違った空間もまた、岸田シェフの「全部自分の目と手が届く範囲でやりたい」という意気込みの表れか。この素晴らしい料理で、この席数なら予約困難も頷ける。
食いしん坊4人での食事は、またしても4時間以上のメシトーク。
スペシャリテの山羊のババロアは塩とオリーブオイルの美味しさの引き立て役になっているように感じられる。印象的な1皿。
カンテサンスの名物、白紙のメニュー。このコースに、ワインはグラスで皿に合わせてソムリエにお任せする。
佐渡の黒アワビ。肝とオリーブのソース、サブレに乗って登場。アワビの弾力が程よい。
石川県五郎島金時のスープと焼き芋。奥のスープは芋のスープ。砂糖を使ってないのに極甘いのは、塩のせい。
パン。
こちらの店のスペシャリテ、山羊のババロワ、オリーブオイルと塩で。百合根が乗る。クリアでさらりとした飲み物的オリーブオイルと、ミネラルが強く、だけど切れのよい塩が美味しい。百合根もババロワも、このオリーブオイルと塩の食感を補強する引き立て役。非常に美味しい。
ワインは皿に合わせてもらう。
すべての皿とワインは詳細な説明をもらっているのだが、覚え切れない。
軽く火を当てたほぼ生のカブ。京都のひぐちさん作と言っていたか・・・。うるい、ボタン海老が乗り、モロッコのアルガンオイルがかかる。
蕪に合わせたワイン。
こちらもスペシャリテ、ブータンノワール。「ブータンノワールです」と聞いた印象と出された料理の印象があまりにかけ離れていて驚く。新鮮な血を朝10時にお店に入れて、6時間かけて固めたものだそうだ。下にはリンゴをしいてある。上にはフォアグラも。
ワイン。貴腐の入ったもの(だったかな)。この辺の合わせかた、定番とは言われたものの、素人にゃできないね。
ポーチド白子。バターでソテーしたキャベツを乗せ、ブリオッシュがかかる。ミティというハーブが乗っている。ブリオッシュとバターの風味が強いので、白子のトロミが余計に美味しい。
魚はマナガツオ。春菊、ほうれん草のグリーンと、甘い唐辛子のアクセント(ピマンドゥ)をお供にして。
ワインはこちら。
北海道の蝦夷鹿。一発でしとめる名人のもの。低温→常温で20回ほど繰り返して仕上げ、周りを落とす。実に野趣の強い味。丹波の黒豆、胡桃のソース、油菜はアンチョビペーストが乗る。
いい色のワイン。
Châteauneuf-du-Pape - Rouge 1996。
カンタル(セミハード)のフォンデュ。鍋で煮込んでフォンデュ状に。イチジクも一緒に。非常に滑らかなとろみのチーズ。
貴腐ワインをあわせて。
カシスソーダ。氷に見えるのは、ペリエをゼラチンで固めたもの。面白い食感。クレームドカシスをかけてある。
フレンチトースト。
タルティーヌ、バラとイチゴ。バラの香りが強く、華やか。
メレンゲのアイス。
プティフール。
最高の時間を過ごせたので、次回を予約と思ったが、すでに2ヶ月先までいっぱい。キャンセルも結構でるようなので、キャンセル待ちを入れておくの手かもしれない。あー、また来たいものだ。
レストラン・カンテサンス (restaurant Quintessens) (フレンチ / 白金台、目黒)
★★★★★ 5.0
予算:30,000円
白金・フランス料理「カンテサンス」
03-5791-3715
港区白金台5-4-7 バルビゾン25 1F