【2009年11月訪問】

元です。

恒例の食べ仲間4人での会食。今回は、レザンファンギャテでテリーヌ祭り。通常の8種類にこの時あった1種類、デザートの1種類を含めて、11種類のテリーヌを全種食べるということに。これだけの種類のテリーヌを食べられるのは、きっとここだけ、この日は人生のテリーヌデーとして記憶されることになる。

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テリーヌというと、作りおきの前菜として”静的”イメージが強いが、こちらの店のテリーヌは実に”動的”。温かいものや、香りがブワッと広がるもの、平坦でない味のモザイクなど、動きを感じる料理。テリーヌを続けて食べても飽きるどころか、驚きと楽しさが続くのだ。

テリーヌ型で、オーブンや湯せんで火を入れるという調理法のルールの上で、どれだけ素材とその組み合わせで料理の豊かさを表現するか、ということにこれだけチャレンジングで、かつ成功しているお店はないだろう。

僕が最も印象に残ったのは、茸のテリーヌ。帆立のムースで固めてあるのだが、その中にある様々な茸の風味のよさが、暖められて供されることで口の中で広がる。セップの強い香りに彩られて、風味のよさがたまらない。

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山手線を渡る高架の袂にあるお店は、ファサードに面したバーがある。このバーで、テリーヌをつまみながら飲むこともできるようだ。到着したときにはフレンチオタクの連れが既にカウンターに影を落としている。

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テリーヌ型は、Staub。取っ手の動物たちがかわいい。20席ほどのシェフの目の届く丁度いい箱。シンプルな洗練の内装。

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1人3品までテリーヌを選べるコースをチョイスして、4人全員でシェア。これですべてのテリーヌ制覇となる。まず最初は、アミューズのサーモンのマリネと焼き葱のテリーヌ。添えてあるクリームは燻製のいい香り。

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風邪気味だったので、ワインは白1杯のみ。うーん、悔しいぞ。

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パンにもしっかりパテがついてくる。

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パンもうまい。

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オマール海老と茄子のテリーヌ フルーツトマト、タプナードとほのかなカレーの香りを添えて。見た目の鮮やかさや素材の組み合わせの妙に新鮮さがあるのだが、口に入れたイメージは、実は馴染みよくストレートで、わかりやすい味わいのものが多い。こちらもカレー風味が異素材をぐっとまとめているので違和感なし。

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最も見た目が鮮やかな筑紫の無農薬野菜をプレスしたテリーヌ。サフランのムースリーヌ・ソース。多様な野菜の味わい食感をギュッと凝縮した一品。

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ポロネギ、フォアグラ、地鶏ささみのミ・キュイ、トリュフのテリーヌ。黒トリュフのヴィネグレット。

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鴨フォアグラのテリーヌ。いちじくのコンポートとブリオッシュのトーストが添えてある。ブリオッシュでなくバゲットでもいいかも!と思うくらいフォアグラの濃厚な風味が凝縮されストレートに迫ってくる濃厚なテリーヌ。

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田舎風テリーヌ。ピクルスとポルト酒風味のジュレが添えてある。2週間以上熟成させた王道のパテ。王道ながら、熟成した深い風味が、目を引くその他のテリーヌに負けてない。

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胡桃入り鴨のテリーヌ。創造的なものもいいし、定番ものもいい。

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クラシックなジビエ(蝦夷鹿、青首鴨、野鳩)のテリーヌ。

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メインは鹿で。しかし、テリーヌが前菜という概念が壊れるほど豊かではあるのだが、こちらのしかも鹿が全面にどーんと。美味しい。

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魚のメインは、ウスバハギ(だっけか?)と根セロリのピュレ、ラビオリ。

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鴨コンフィとじゃがいものサルラデーズの温かいテリーヌ。

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デザートまでテリーヌですよ。スパイスを効かせたプラムのコンポートと洋梨のテリーヌ。フロマージュブラン添。

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デザート類もうまし。

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しかし、デザートまで含め、11種類ですわ、テリーヌ。食いしん坊集団ってことで、とにかくすべてをシェア。意地汚いかもしれないが、美味しいものならば本当に楽しいのである。

今回は、テリーヌ2品が選べる9,240円のコース。アミューズ、テリーヌ2品、メイン、デザート、カフェのコースだが、アミューズもテリーヌだし、メインでもテリーヌを選べるし、もちろんデザートのテリーヌもある。よくこれだけテリーヌばかりで飽きないかとも思われるかもしれないが、それが全くない楽しさと豊かさ。飲んで食べて1人15,000円ほど。

さて、次回はテリーヌで飲むか。

レザンファン ギャテ (フレンチ / 代官山、渋谷、恵比寿)
★★★★ 4.0

オススメ度:★★★★☆
予算:15,000円
代官山・フランス料理「Les enfants gates(レザンファン ギャテ)」
03-3476-2929
渋谷区猿楽町2-3