学生時代に九州で「すごいラーメン屋がある」と連れて行ってもらった時の、替え玉チャルメラ音の衝撃からもう8年くらいだろうか。2001年に六本木で東京進出したときの勢いはないものの、この渋谷店も13時頃行くと、5、6人くらい並んでいた。 入店して食券を買うと、味の好みを用紙に記入する。

041120一欄用紙

「周りを気にせず、ラーメンに集中して、女性一人でも入れるように」と一席ごとに仕切られたカウンターに座ると、食券と用紙を暖簾の下から渡す。

041120一欄座席

041120一欄ラーメン

麺は九州ラーメンらしく、ストレートの細麺。スープは豚骨だが臭みがなく、甘みとうまみが強い。唐辛子味噌は結構辛みが強く、甘みとうまみのバランスを変えていきながら味わうのは好きだ。中華のやきそばを、酢と辛し味噌を足していきながら食べるように。

替え玉は、箸袋に記入してお金と一緒に暖簾ごしに渡す。スープまで飲み干すと、「この一滴が最高の喜びです」とどんぶりの底に。最近太り気味の体を考えて、「後悔」も同時に湧き上がる。

041120一欄箸袋

041120一欄どんぶり

【チカラのネタ】

ラーメンは「当たれば儲かる商売だ」といわれる。他の料理に比べ、原価率が低いことと(10%位だと聞いたことがある)、客の回転率がいいことが主な理由だ。

居酒屋なんかでも2時間制などというところがあるのは回転率を上げるためで、一般的に1組の客の滞留時間が短ければ短いほど、時間当たりの売り上げ幅は大きくなる。

 一蘭の座席の仕切り、「ラーメンに集中するため、人目を気にしないため」とあるが、営業のマーケティングだと考えると面白いなと思う。まず1席で仕切ると、空席率が減る。2人連れが1席づつ空けて3組座ると、間に1席づつのスペースが2席できる。一蘭はこの席をお店が仕切る。この無駄空席を減らすことで、空席率を減らすことができる。

第2に、顧客の滞留時間が短くなる。2人以上で来た場合、会話をしながら食事を楽しむことも多いが、ここは仕切りがあるために会話をしにくい。結果的に早くお店を出ることになる。結果回転率があがるのだ。

第3に、客単価があがる(と思う)。両サイドの仕切り、正面の暖簾、座席に座るとほぼ視界はそれだけなのだが、その両方にくわえて箸袋にも、替え玉、サイドディッシュとその値段の情報、薀蓄が書いてある。なんとなく、じゃあコレも食べてみようか、となる(気がする)。 一蘭がそこまで計算しているかどうかはわからないが、よくできた仕組だなと思った。

「一蘭」 http://www.ichiran.co.jp/index.html

一蘭 渋谷神南1丁目店 (いちらん)