あまりに食べ物の事ばっかり書くと、1日中食べてる人に思われてしまうのでたまには、読んだ本のことでも。
疾走を呼んだ。書店で平積みされていた表紙のインパクトでなんとなく買った本。お話の内容を引用すると、
犯罪へとひた走る14歳の孤独な魂を描いて読む者を圧倒する現代の黙示録。一家離散、いじめ、暴力、セックス、バブル崩壊の爪痕、殺人……。14歳の孤独な魂にとって、この世に安息の地はあるのか……。直木賞作家が圧倒的な筆致で描く現代の黙示録。
剥き出し費の「人間」どもの営みと、苛烈を生き抜いた少年の奇跡。比類なき感動の結末が待ち受ける現代の黙示録。重松清畢生1100枚!
「どうして、にんげんは死ぬの?」舌足げなおまえの声が言う「にんげん」は、漢字の仏間」とも片仮名の「ニンゲン」とも違って、とてもやわらかだった。そのくせ「死ぬ」は輪郭がくっきりとしていて、おとなが言う「死ぬ」のような照れやごまかしなどいっさいなく、まっすぐに、耳なのか胸なのか、とにかくまっすぐに、奥深くまで届く。 想像を絶する孤独のなか、ただ、他人とつながりたい…それだけを胸に煉獄の道のりを懸命に走りつづけた「人の少年。現代日本に出現した奇跡の衝撃作。
ということである。
思春期の頃に常に感じていた孤独感がある。友人と遊んでいても、家族と楽しく食事していても、なんか、独りきり、という感覚。不安や空しさや上辺とかいった感情が、自分の心の多くを支配していた時期。
この不安を取り除いてくれるのは「誰かに理解されている」という事だけだということは分かっていても、理解された安心感からくる安らぎは結局感じられないままこの時期をすぎ、不安はなんとなく消えていったような気がする。(僕だけ?)
その時の気分をありありと思い出させてくれる本です。
この誰かとつながりたい気持ちだけを羅針盤にして行動する少年の気持ちを、一家離散、いじめ、暴力、セックス、バブル崩壊の爪痕、殺人といった物語の激しさがぐいぐい引っ張っていく内容に、僕自身もぐいぐい引っ張られて、最後まで一気に読んだ。
主人公は走るのが大好き、そして人生も「疾走」するのだが、僕の読んだスピードも疾走。
エバンゲリオンが好きな方には、同じテーマで楽しめるお勧めの本。
アマゾン↓疾走 上
これめちゃめちゃ読みたいんだよなあ。貸して。
最近のお気に入り作家なんだよね。