【2007年8月再訪】
2階のテーブル席を見渡す限り、全く持って10人並の居酒屋なのだが、料理の中身は秀逸なお店。日本各地の美味しい素材(特に肉!!)を集めて、イタリア料理の経験をベースにした調理法で、お酒に合うメニューが、多種類ひしめくお店。ひとつひとつのクオリティも高いのだけど、特に肉系と麺ものご飯ものがいい。
友人との打ち合わせご飯に、この店を訪れた。
白かびチーズの味噌漬け(450円)。チーズはいたってノーマル。味噌漬けも浅く、ほんのり味噌が香る程度で合わせるお酒を選ばない万能つまみ。乾燥イチジクが添えてある。
舞鶴産アジのカルピオーネ(700円)。カルピオーネとは、マリネあるいは南蛮漬けということで、こちらもつまみとして無難なひとつ。
早松茸をまとったハモのフリット(1,000円)。松茸を芯にハモをぐるっと巻いて揚げてある。松茸という素材には好き嫌いのどちらの感情もないしあまり経験も無いのだが、香りがツンと強かった。揚げたら油の匂いでせっかくの松茸の香りが、とも思ったのだが、それに負けてない。早松茸って、香りが強いものなんだろうか?
短角牛の炭火焼(3,000円)。こちらのお店の魅力はなんといっても、シェフの肉好きがメニューを見て漂ってくるほど、肉のバリエーションが多いのと、ひとつひとつがウマいこと。牛はハツ、タン、短角牛、豚はアグー、鶏、鴨、鳩、フォアグラといった文字がズラッと並ぶ。居酒屋としての肉の満足度では他にこんな店は見当たらない。短角牛もすっかりメジャーになったが、もともと旨みの多い赤身にいい具合に火が入って、旨い旨いという風に仕上がっている。肉にかぶりつく醍醐味はやっぱり赤味。
ヤンバル豚サルシッチャとキャベツのスパゲティ(1,700円)。サルシッチャとは、イタリア語でソーセージという意味らしい。臭み消しのローズマリーが相当ガツッと効いた豚挽肉のパスタで、味の主張が強い。居酒屋にしては、「これは何ですか?」と聞くことが多いメニューがずらりなのだが、それがまた楽しい。
キーマカレー(900円)。パスタやカレー、親子丼、リゾットなど炭水化物のバラエティも豊富。そしてこれらもなかなか。キーマカレーも辛さがしっかりなのと、ハーブが効いている珍しいカレー。ハーブが何かは分からなかったけど。
お腹一杯食べて、しっかり飲んで、1人7,000円(載せている以外のメニューもいくつか頼んでいる)。相変わらず満足度が非常に高い。銀座からも歩ける距離で、この近辺でめしの旨いワイワイ居酒屋ではここしかない、と思う。
【2007年5月再訪】
すべてのメニューのレベルが高く、外観や内装から想像する居酒屋とは一線を画す、一段上のイタリアン出身居酒屋。特に肉料理は好みなのもあって満足度が高い。しかも、メニューの数が幅広く、何度も通って制覇したくなる魅力を備えている。芝公園付近で打ち合わせの後、3人で入る。
お肉屋さんのオードブル(1,000円)。生ハム、レバーパテ、ラルドなど、まあ通常の居酒屋を超えたメニュー。最近はあるのかもしれないけど。それぞれビールにバッチリ。ワインだけじゃなく焼酎にもよく合う。
鴨茄子とオマール海老のサラダ(1,000円)。イタリアントマトのサンマルツァーノも添えてある。
パン盛り合わせ(500円)。自家製のフォカッチャなど。
フォアグラのカツレツ(1,300円)。フォアグラをベシャメルソースとポテトで包んだカツ。見た目は一瞬カレーパン。
ホクホクでウマい。フォアグラコロッケに近いイメージ。
デザートは、妻の希望で盛り合わせを作ってもらう。何がなんだか覚えてないが、うまいと言ってた気がする。他にもいろいろ頼んで焼酎飲んで、気の置けない人たちとのこの店でのめしは、相変わらず最高です。
【2007年3月再訪】
元です。
最近Vシュランの影響なのか、「親子丼の店」なんて言われ方していますが、この店のよさはそんなとこじゃないよ、と強く言いたい。もちろん、親子丼もおいしいんだけど、それ以外にもたくさんの美味しいものが食べられる相当レベルの高い居酒屋なんです、と。
外観や内装は、正直フツーの居酒屋なんだけど、その料理には感服。この日は最近結婚する古くからの友人数人で集まる。
お通しで、スープとプチシューが出てくるあたりから「ムムッ」となる。
キャベツを頼むと、丸々一個。とはいってもキャベツそのまま出しているわけではなく、芯を取って葉を取ったあと、また元の形に戻して出している。ボリュームがすごい。
レバーパテには、ピクルスとラルド、パンが添えてある。パテにかかった蜂蜜の甘みがいい。この蜂蜜のひと手間があるのと無いので、味の広がりが全然変わるんだろうなと。
ビールから焼酎に移行したのだが、コチラには紅芋酢という、芋から作ったお酢が置いてあり、芋焼酎にちょっと垂らして飲むスタイルが推奨されている。芋焼酎の芋の香りはやや押えられてしまうけど、酢の酸味で後味の引きがよい。これ、グビグビ飲めてしまって、案の定翌日二日酔いに。
そんな引き締まった焼酎には、このタルタルもよく合う。
塩辛。
鴨のローストが野菜と一緒にドーン。この店メイン系の料理のボリュームが多く、リーズナブル。赤味の肉感が強い、生に近いローストはウマい。もうちょっと香ばしく火を通してもいいかも。
トリッパもある。弾力のある食感が好み。
アグー豚のカツレツ。これ、ヒット。フィオレンティーナの食感を思い出すカリカリでごく薄い衣がサクッと、アグーの濃厚な旨みがジワッと。肉好きにはたまらない。
明らかに手の込んだこんな料理もある。料理を失念。エビを主素材に、カボチャ(?)かなんかのムースが乗っている。
パスタ。
そして、黒いカレー。これもウマいですよ。
以上、ガッツリ飲んで食って、1人7,000円くらいだったろうか。和食もイタリア料理もカレーも、なんでもありで、どれも美味しく仕上がって出てくる驚異のお店。しかもメイン系のボリュームが多いので、出来れば大勢でワイワイと、色々注文するのがよいと思われる。最初の特別価格ではないので、評価はひとつ下げちゃったけど、それでも相当レベルの高いお店には違いない。
オススメ度:★★★★☆
【2006年6月再訪】
クライアントから近いということもあり、感動したこのお店にお昼も来てみた。
お店の外観はこんな感じ。京橋の町と、このでっかい店名「ボンボリ」の字体がミスマッチでお店は結構目立っている。
2階の席は広め。3階まであるから、トータル60席くらいあるかもしれない。
この日のランチメニュー。炭火焼親子丼を注文する。
これが炭火焼親子丼(900円)。お味噌汁、サラダ、冷奴、おしんこがつく。
親子丼なのに、鶏と玉子は別々の2色丼スタイルで出てくる。鶏は宮崎地鶏特有の黒炭をまとっていて、やや苦味と香ばしさがある。見た目からは顎が筋肉痛になるような歯ごたえの強い地鶏をイメージしていたのだが、意外にも柔らかいフワフワの鶏。そして玉子もフワフワ。これはおいしい。苦味と香ばしさがあるので、オトナの親子丼といったところか。
いやー、他も色々食べたくなる。まだまだ通わねば、というお店です。
【2006年訪問】
元です。
仕事で、カリスマブロガーのやまけんさんとお食事。「やまけんの出張食い倒れ日記」で有名な方。ブログ発で出版もされており、各ブログ雑誌の中では見かけないことはないほどの方だ。実は大学の同じキャンパスの先輩でもある。
やまけんさんが素晴らしいお店と、予約していただいたのは、京橋「日本橋ぼんぼり」(7月より「東京バルバリ」に改名予定)。ここは居酒屋ながら、シェフの小池さんは帝国ホテル出身。イタリアンをバックグラウンドに持ちながら、創作料理を振るってくれる。
最初に頂いたのは、水茄子の下に、トマトの冷凍粉末が敷いてある。早速の手の込み様に驚かされる。水茄子は生。この茄子の甘みはデザート的。敷いてあるトマトはどうやって作るのか想像がつかないが、口に含むと粉末状のシャーベットがヒヤッと舌を冷却し、その後トマトの風味が口の中にブワッと広がる。お店の外見からはとても想像できないほど、料理は繊細で季節感たっぷり。期待が膨らむ。
次は、さざえのスパゲッティ。プリプリサザエの食感もさることながら、さざえの肝が苦味の利いたパスタのソースとしてちゃんと機能しているあたり、具材としてだけでなく、パスタとしてウマイ。
コチラは肉尽くし。
・岩手短角牛(真ん中中央)
・沖縄今帰仁(なきじん)のアグー豚(右側)
・山形の三元豚(左側)
・茨城西崎ファームのバルバリー種の鴨(上)
肉好きにはたまらない肉の塊がたくさん。仕事なのでやまけんさんの取材を続けているのだが、気持ちはどうしても肉の方へ向かってしまう。この中では短角牛が最もうまいが、すべて引けをとらない。短角牛の赤味のうまさには最近いろいろなお店で注目されている気がするが、銀座のマルディグラを思い出す。マルディグラで丸ごと出てくるのに対して、コチラではカットされてくる。元の塊のサイズ(このときは5人で食事)で焼いている様を想像するに、その手の込み様はとても居酒屋仕事ではない。まず先にこの肉に手が伸びるが、やはり赤味の旨みは強く、火の入り方も絶妙。トークと肉を噛むので顎が疲れるのが心地よい。
アグーは、沖縄の在来種で、今帰仁のものが最も純度が高いといわれているそうだ。こちらも通常の豚の2.5倍のアミノ酸量を含んでおり、うまいに決まってるのだが、やっぱりウマイ。
新潟岩牡蠣のリゾット。居酒屋ではおじやのように柔らかい米をリゾットと出すところもあるが、ちゃんと芯が立っている。牡蠣のミルキーなエキスはほんのり、米を包む程度だが、塩コショウの加減などリゾットとしてちゃんと成立しているので、薄いのではなく足し算になっておいしい。
デザートもやばい。
・黒胡麻のカタラーナ(真ん中奥)
・紅芋酢のシャーベット(奥左)
・メロンとココナッツのシャーベット(奥右)
・イチジク(右手前)
・リコッタチーズとヘーゼルナッツのタルト
カタラーナとはプリン味のアイスで、黒胡麻のプリンだともたつくところをアイスで後味さっぱりにしている。「イチジクは今が季節なんですよ」と小池シェフ。普段食べないイチジクは初夏の果物かと勉強になる。水茄子もそうだが、季節に敏感なあたり、やはりおいしいものを美味しくという料理への愛が伝わります。
僕が一番よかったデザートは紅芋酢のシャーベット。甘いものにそれほど強くない僕も、酢の酸味と冷たさでペロッといける。酢酸のツンと来るいやらしさはなく、紅芋の柔らかい酸味と甘みがいい。この御酢、富士酢の紅芋酢を使っているのだが、このお酢がおいしい。(取材中にこの富士酢の5代目もたまたまお店に登場)
このお店焼酎を割る際にちょっとこのお酢を入れて、飲むスタイルがあり、これがおいしいらしい。酸味が後をさっぱりしてくれるとのこと。
以上なのだが、居酒屋としては群を抜いている、とんでもなくいいお店だと思えたお店だ。この素材へのこだわりと仕事のクオリティで、この6品1人4,000円。また間違いなく通う、お店となるはず。すでに結構混んでいる様子だが、人に教えたくない、久しぶりにそう思った都内のお店。
オススメ料理:肉類、デザート
オススメ度:★★★★★
予算:不明(この時は昼でメニューは夜のものだったので、1人4,000円)
京橋・居酒屋「日本橋ぼんぼり」
03-5524-1338
東京都中央区京橋3-7-9
そして、もちろん私はやまけんブログの読者で、やまけんさん推奨の店にいくつか行っていたりします。
う〜ん うらやましすぎ!デザートはホントにやばいですね。
いいなあ・・