【2008年4月訪問】
元です。
季節ごとに伺いたいパスタと野菜の美味いグットドールクラッティーニ。子連れの僕らは予約の要らないテラス席に、オープンの12時に伺う。今回は、前菜2皿、パスタ2皿を選べるプリフィックスを。相変わらず美味い。妻と密かに「ツッチー」と呼んでいる、土田晃之さん似のサービスの方も、いつもどおり丁寧でにこやか。
食感の美味しいイカと蛸のマリネ。
スブタリアン。バルサミコ酢の酸味が利いたイタリア版酢豚。角煮のような柔らかい三枚肉を中心に、トマトやグレープフルーツ、苺、ブルーベリーなんかで爽やかに。オレンジの白熱灯の下で料理は美味しく見えるが、こちらは太陽の下で見るとみずみずしく美しい。
妻は、鯖とお米のサラダ。酢付けのカブの酸味が聞いてお寿司風。根菜のポタージュポーチドエッグのせ。ゴボウの風味が強いスープ。
パスタは、季節の物が食べたいとちりめんと松の実のペペロンチーノを選ぶ。「ここの店は特に素材を生かしたオイル系のパスタが美味しいかもね」と言う妻に同意。
とはいえ、トマト好きなんでもう1品はトリッパのスパゲティー。気分のいいランチを過ごせた土曜日だったなあ、と。小さい子連れでも予約が無くても12時ジャストに向かえば、テラスで他のお客さんに気を使わず、美味しいものが楽しめる店としても、重宝させていただいている。
【2007年10月再訪】
元です。
パスタと野菜が格段に美味いグットドールクラッティーニへ、土曜日のランチ。以前から行ってみたいと言っていた割と近所の友人夫婦と向かう。前日電話するとランチの予約はいっぱいだったが、天候によって不確定なテラス席は予約をとらないため、オープンの12時に行けば、予約なしでも入れるようだ。
すっかり秋の気候になった晴れの日のテラス席はすがすがしくて気持ちよいね。ビルの谷間ではるけど、間から入る日差しで体が光合成しているよう。遅れてくる友人を待つ時間がストレスじゃなく気持ちいい時間になる。
ランチは4種類。
Antipasti e Pasta(1,890円/1-1.5h)
・地野菜のサラダ
・お好みのアンティパスト
・お好みのパスタ
・エスプレッソ
Pasta Pasta(2,520円/1-1.5h)
・地野菜のサラダ
・お好みのパスタ2皿
・エスプレッソ
Antipasti e Pasta Pasta(3,150円/1.5-2h)
・お好みのアンティパスト2皿
・お好みのパスタ2皿
・エスプレッソ
Antipasti e Pasta e Secondi(4,305円/2h)
・前菜盛り合わせ
・野菜と豆のスープ
・お好みのパスタ
・赤茶豚ロースのソテーorほろほろ鳥のディアボラ
(鴨ロースのあぶり焼き +945)
・ドルチェ
・エスプレッソ
パスタと野菜がウリっていうことが前面に出てるメニュー構成。それぞれにかかる想定時間も併記されているが、急ぎのランチには不向きってことで。アンティパストは9種類、パスタは12種類、ドルチェは3種類。定番と季節ごとに入れ替わるメニューが入り混じっている。
パスタメインってことで、Pasta Pastaを選ぶ。
サラダは一見シンプルなグリーンサラダなんだけど、その葉物たちも青々しくて大地味。中には季節のサツマイモが隠れている。
最もシンプルなポモドーロは、チーズも入って風味豊か。
たっぷりきのこのスパゲティーニ、からすみがけ。いずれも季節のきのことからすみ。ぷりぷりのきのこの風味と淡いからすみの風味。見た目にも秋を感じさせる。
トリッパとまと煮ポーチドエッグのせ、フジッリ。くるくるパスタによく絡む濃厚な内臓肉とトマトの出汁感が好み。卵もうすこし半熟だとうれしいのだが。
お店の名物、キャベツ畑のスパゲティ。セロリの風味とサワークリーム、チーズも入っており、シンプルキャベツではなく複雑な美味しさ。こちらのパスタはセロリやパセリや風味の強い葉野菜をトッピングにうまく使って爽やかな後味を作る。しかし、今日のキャベツ畑はちょっと?が付く。
帰りにキッチンを覗くと倉谷シェフの姿が無い・・・。土曜のランチって倉谷さん作ってないのか?パスタを通して感じていたいつもより、ちょっとだけ違う、という感覚の正体はこれか?
【2007年9月訪問】
元です。
丸の内の雰囲気のいい路地に上品なカフェの用に佇む店だが、その立地や雰囲気を吹き飛ばしてしまう、とんでもなく美味いパスタとしっかり味の野菜達が特徴的なグットドールクラッティーニ。9月いっぱいで終わってしまう桃のスパゲッティーニを狙って伺う。ここは、1皿をシェアすることを前提に考えてくれるので、自動的にパスタなどはポーションに分けて出してくれる。実はこの辺のところも食いしん坊の僕や、女性全般に響くポイントだと思う。
3連休の最後の日の夜だが、当日の昼間の電話でスムーズに予約が取れた。
休日の夜20時、お店の周辺の丸の内は人気がなく、その空間を独り占めしているような嬉しい感覚に包まれる。お店に入って通された席は中が覗けるカウンターの前の席。料理好きの妻とともに、興味津々に視線を送る。きっとキッチンのスタッフは僕らの視線が痛かったのではないか?特に倉谷シェフは。
ビールを飲みながら、ゆっくりメニューを選ぶ。
野菜が美味い、パスタが美味いということで、メインを外して前菜とパスタで攻める。前菜は、「桃のスパゲッティーニ(1,365円)」と、季節ということで「新さんまのサルティンボッカ(1,470円)」を。パスタは、「生うにのスパゲティ(2,100円)」と「岩がきと白なめこのタリアテッレ&ストリーニ、吉田牧場カマンベールと(1,575円)」を。妻はデザートに「吉田牧場リコッタチーズのケーキ、ブルーベリーのソース(735円)」で〆る。
最初に出てくるスープは、人参ですかね?ムースに近い滑らかさとフワッとした食感。西洋わさびだろうか、が入っており、後味がスッと抜ける。
パンとリエット。
名物桃のスパゲッティーニ。冷製のスパゲッティーニだが、上からスライスした桃が覆いかぶさっている。桃は熟れきったものではなく、歯ざわりが残っているのと、甘さが控えめでフレッシュ。熟れきったとろけるような甘い桃も美味いが、パスタと合わせて生きるのはコッチなんだろう。
そして、中のキリッと冷えたスパゲッティーニは酸味を残したトマトソースで和えてあり、レモンと塩がしっかり効かせてある。この酸味が「スイカに塩」の要領で桃の甘さを引き立てるので、桃らしい風味は十分感じられる。ミントが抜けをさらによくしてくれる。とにかく全体がフレッシュで爽やか。
新さんまのサルティンボッカ。季節の秋刀魚を開いて身の側に生ハムを巻きつけて焼いたもの。生ハムの旨みの効いた塩味が秋刀魚を美味しくコーティングし、香ばしく焼いた皮のサクッとした食感とバランスがいい。
しかし秋刀魚に隠れた野菜達が、隠しとくのは勿体無いと思うほど美味い。子供みたいだがピーマンってあんまり得意な野菜じゃないが、この皿のピーマンはエグミの無いほんのりした苦味があるだけで、甘みとしゃきっとした食感がうまいのなんの。他の野菜たちも一様に美味い。
生うにのスパゲティ。上にたっぷり乗ったウニがとってもしずるメニュー。ウニクリームではなく、唐辛子でピリっと仕上げてある。この時は残念ながら、ウニの臭みが気になってしまったのだが、季節が終わったということなのか、品質が不安定なのか。前に食べたときはすごくうまかったが。
岩がきと白なめことタリアテッレ&ストリーニ、吉田牧場カマンベールと。牡蠣の風味はもっと強いのが好みだが、なめこのヌルッとした食感はいい。ストリーニとはなんぞやと思ったが、ココ・ゴローゾさんのブログを見るに、倉谷シェフオリジナルのパスタ生地をぐるぐる巻いてネギのように斜めにカットしたもの、ということらしい。パクチーの風味がたってもいる。なんだかね、倉谷さんの料理は、素材と素材をぶつけ合って成立する場所を探している、そんな料理が多いのです。素材それぞれの主張が強い、そんな仲を取り持っていること自体、相当いい仕事していると思わせる料理たち。
リコッタチーズケーキ、ブルーベリーのソース。チーズケーキとはあるが、チーズのパウンドケーキですな。妻のものなので、僕は一口だけ。
やっぱり美味い、いい店。西麻布から丸の内へ、僕の家に近づいてくれたことに感謝しなければ。いい週末の〆ご飯でした。
【2006年12月訪問】
元です。
2006年10月に、西麻布から丸の内に移転したグットドールクラッティーニ。 西麻布の路地裏の2階から、丸の内のオシャレなカフェ風のお店に変わっていた。元の場所には、グットドールアッキアーノというお店としてスタートしている。丸の内に11月頃ランチとディナーで行ったところ、やはり倉谷さんのすばらしいパスタは健在。実は記憶がおぼろげだが、紹介。
最初はディナーから。
リチャードサラダからすみがけ(1,365円)。リチャードとは、愛称リチャードさんが長野で作る無農薬野菜らしい。写真で見ても、太陽をたくさん浴びて、栄養をたくさん蓄えた、という濃い緑色をしている。ほんのりした苦味も含めて、野菜の味がしっかり詰まった葉っぱたち。そしてスライスしたからすみも負けない味の強さで青臭さを押さえつける。
野菜へのこだわりは相当強いようで、フレンチのビストロ、ル・ゴロワを思い出す。リーズナブルなところも似てるかもしれない。
トリッパのトマト煮(1,365円)。トマト煮込みの上には、焼き目をつけたたっぷりのチーズがかかる。オーブンで仕上げているのかな?トリッパ自体よりも煮込まれたトマトが特徴的。
トマトは生に近いと、酸味と角のある青みが立ち、煮込むほど、甘みと角のとれた旨みが出てくる(と思う)。もちろん煮込んで煮込んで、甘みと旨みを十分引き出したトマトも美味しいのだけど、食べ進めると、重くなる時もある。甘みも旨みもありながら、トマトの酸味が残る、ってのがベストだと思うのだ。この料理は、煮込みが浅めなのか、あるいは特徴のあるトマトの味なのか、トマトらしい酸味がしっかり残っていて、好み。旨みやコクは、たっぷりチーズが十分に補っている。
パスタで何かと有名なこの店、野菜の素材や料理もなかなか。
そして、ここのウリとなっているパスタたち。
生うにのスパゲティ(2,100円)。こちらのお店はパスタをシェアしたい場合は、個別ポーションに取り分けてくれる。美味しいから欲張りたくなるここのパスタで喧嘩しないためにはぴったりか(^_^;)。ウニは、唐辛子ともに、ピリ辛に仕上げてある。ウニは、つぶしきらない状態でたっぷり乗せてあるが、その分もったりしないようなピリ辛仕上げ。計算されまくっている。
こちらはペンネアラビアータ(1,260円)。
赤茶豚リブロースのロースト、カフェ、シナモン、八角、バニラの香り(2,520円)。赤茶豚は長野らしい。この味付け、文字で見ても全く想像できない。そして、食べた印象もどう表現していいのかわからない。2ヶ月前の記憶が薄らいでいるのもあるが、いろんな味、というか風味がして、でも旨い。稚拙極まりないが、そんな感じ。ここでも野菜は味が強くて、グット。
鴨ロースの炙り焼き(2,520円)。
アールグレイのカタラーナ(630円)。クレームブリュレに近い、焼きプリン。上にアイスが乗る。
この日のパスタメニューだが、日替わりなようなので、参考までに。定番でなおかつかなり旨い、と思うのは、「キャベツ畑〜」と「生ウニ〜」でしょうかねー。
ちなみに、ディナーには、スープと、フォカッチャがつきます。ディナーは以上。その、ちょっと後に行ったランチ。
フォカッチャ。ランチについてくる。
サラダ。こちらもランチについてくるのだが、葉っぱだけかと思いきや、中に根菜君が隠れている。どれも美味。
湯気でぼんやりしているが、生海苔と生トマトのカッペリーニ。海苔の塩味とトマトの酸味、そして細いカッペリーニで、あったかいけども、さっぱりしてさわやかなパスタ。
おなじみ、生うにのスパゲティ。
えー、こちらを忘れてしまったのだが、アンコウとほうれん草のリングイネ、だと思う。白いコロっとしたのは、ヤマイモだったか・・・?シャリシャリした歯ごたえだった気がする。
パスタも、野菜も素晴らしいお店。ひとつひとつの料理は注文を受けてから、丁寧に、ひとつづつ、出てくる。僕みたいな欲張りは、複数のパスタを、すべてシェアしようとするのだが、それだけ時間もかかる。そういう注文でなくともゆっくり出てくるので、このお店を楽しみたいときは、時間の無いときは避けるべき。ランチもディナーもたっぷり時間のあるときにそうぞ。
グットドール・クラッティーニ (Goutte d'or Crattini)
オススメ料理:生うにのスパゲティ、キャベツ畑のスパゲティ、(夏場の)桃のカッペリーニ)
オススメ度:★★★★★
予算:2,000〜(ランチ)/6,000〜(ディナー)
丸の内・イタリア料理「グットドール クラッティーニ」
03-6212-6882
千代田区丸ノ内2-2-3丸の内仲通りビル1階
しかしおいしそう!!次回帰ったら絶対行きたいお店だな。
場所がよくなったから予約取りづらくなったらやだけど、混んでた??