元です。
川越に所用で出かけた際に、評判がいいらしいとんかつのお店「楽天」に行く。小江戸の旧家の町並みを歩いて行って、細い路地を入るとその店はある。
地元の半径1kmに住んでいる人しか来ないのでは？という質素な外観。一見ではなかなか入る勇気はないであろう、昭和50年頃から時間が止まったような佇まい。ところが、不安を押し殺して、食べて、出てくるときは非常に晴れやかな満足感。
ショーケースにメニューが。定食はそれぞれ+300円。ロース、ヒレなどが並ぶ中、やはり気になるのは、特選とんかつ。
店内は、ちょっと狭い4人がけの座敷が2テーブル。あとは、8人がけくらいのカウンターと、こじんまり。ご主人と奥さん2人でやっているようだ。お昼に伺ったのだが（伺ったという表現の方があるおうち感）、僕ら以外は、男性のお一人様。
箸袋には、「とんかつの名付親」とある。上野にある（あった？）本店の暖簾分けのお店がこの川越楽天のようだが、上野の店で、この料理を「とんかつ」と呼び始めたらしい。
注文は、2人で、特選とんかつ定食（3,000円）と、食べ比べるためにロースかつ定食（2,000円）を、ひとつづつ注文。
こちらは、ロースかつ定食。ポテトサラダと、キャベツの千切りが付け合せ。他に、ごはん、赤だしのしじみ汁、おしんこがつく。綺麗に揚がった大判のロースかつ。こちらも十分旨い。満足できる。共通で使われる衣自体、普通のとんかつとは一味違うからだ。ただ、食べ比べると、1,000円高くても、特製かつの美味しさが際立つ。
こちらが、特選とんかつ。ロースかつとは、まずその厚みが違う。3cm弱くらいあるのではないか。見るからにボリュームがある。
衣は、厚みは普通だが、肉を密封するしっかりとしたカバー状になっている。そしてこの衣に味のベースがついている。加えて厚い肉に火を通すためか、しっかり揚げてあるので、衣は軽いというよりはしっかり味と、歯ごたえ。
肉は、脂身もカットで、落としきらず、しっかりついている。この脂が旨い。
「塩で食べてみてください」と言われてその通りにしてみる。すると、甘い。スイカに塩をかけると、その甘みを増すのと同じだろう、もともと持っているの脂の甘みが、さらに甘くなるのだ。もとのお肉の美味しさを引き出すためには、ソースより塩、とんかつでさえ、そう思えてくるのがここのとんかつ。もっと言うと、ソースというのはとんかつを味でごまかして食べるものに感じてくるから不思議だ。レモンの酸味も後味の引きのよさを手伝い、相当なボリュームにもかかわらず、もたれない。焼肉でいい肉を食べるときの塩、というのは、とんかつでも同じなのだ、と思う。もちろん、ソースも醤油もからしもあるのだが、このレモン＋塩という食べ方は新鮮。最後までパクパクといってしまった。
最後には、チョコレートが口直しに出てくるところも、ちょっと変わってて面白い。
かなり大満足のとんかつ、また来たいと思えるお店。ちなみに、お刺身などのつまみもあるのだが、「とんかつではなくお刺身を目当てに来るお客もいるんですよ」というお店の方がいうように、ちょっとそちらにも期待が持てる。夜に来る際は、是非来てみたい。
オススメ料理：特選とんかつ定食
オススメ度：★★★★☆
予算：2,000円〜
川越・とんかつ「楽天」
0492-24-9994
埼玉県川越市仲町3039
しかし川越☆４つとは･･･灯台元暗し･･･
行ってみるね。