【2009年11月訪問】
元です。
代官山に今年9月にオープンした焼肉鉢山へ。代官山と神泉の間くらいの住宅街にひっそりと立つ洒落たレンガの建物は、一見して焼肉屋のそれとはわからない。中に入った時も「最近増えてきた綺麗めの焼肉店だな」という印象だが、出てくる料理は、そういったクールな印象と逆に、オモニの温かさに溢れた家庭の味わい。焼肉以上に、キムチ、ナムル、〆の冷麺など、仕事のされた料理が美味しく、印象的なお店。
焼肉店というと、肉々しい赤い色で体を満たすイメージが強い。もちろんそういう攻め方もできるのだが、こちらのお店では野菜のグリーンが印象的。オモニの料理を進めながら、時々焼く、といった進め方がいい。コリアンと焼肉のハイブリッドが高いレベルで成立している。
最初のキムチ盛り合わせからしていい。「小さい頃から家庭で食べていたものをお店で出しています。」というキムチは、通常の白菜、胡瓜、大根以外に、カブやセロリ、枝豆などまで多様で、辛味を抑えた家庭の漬物。
ナムルもまるで、おせちのような華やかさ。きのこや、ふき、竹の子、アスパラ、蓮根、アボガドまである。それぞれの食感や味が楽しいのだ。
サンチュのグリーンも鮮やかで、焼肉に来たのに、それ以外のメニューで結構満足している自分がいる。
海鮮チヂミ。
生牡蠣。
厚切りタン塩。タンのクオリティも問題なし。
ヒレもなかなかよかった。
コムタンは白と赤がある。通常の白はむしろクリアで、かなりやさしく美味しい。
赤も、じんわり効いてくる辛さで、見た目の赤さからイメージする刺すような辛さはない。
秀逸だった豆乳冷麺は、牛の下手すると臭みのある出汁と、乳のコクとまろやかさが相まってやわらかい味わりに。クリームシチューのようなやさしい仕上がりのスープは、〆るのにぴったり。
周りには食べるのが好きな方々も集まって幸せな時間でございました。
鉢山 (焼肉 / 神泉、代官山、渋谷)
★★★☆☆ 3.0