【2009年1月訪問】
元です。
昨年オープン前後から話題になっていた広尾のa nu retrouvez-vous(ア・ニュ)。ル・ジュー・ドゥ・ラシェットの下野シェフのお店。ジビエのこの季節にチャンスを見つけて伺う。フランス料理オタクの友人が勧める「コンパリジョン」(12,000円)のコースをオーダー。コンパリジョン(比較)と名のついたコース、1素材を2種類の料理で食べ比べながら皿を進めるユニークなコースで、この日の素材は、「トマト」「鱈」「鹿」「イチゴ」の4つ。
現代的な調理法と伝統的な調理法の比較という構成も面白いし、皿にあわせてお任せしたグラスワインのセレクトや質も実に満足。
この中で感動したのは鹿。内腿は3週間の熟成を経て、柔らかく、風味よく仕上がっている。低温でレアに火を入れられ、肉としてはとても洗練された滑らかさがベースになって、ジビエらしい風味が軽やかに乗っかってくる。
お店は広尾、箱が細長め30席弱。しかし、レイアウトの工夫と印象的な高い天井で狭くは感じない。
アミューズは、穴の空いた皿に自分で刺してレイアウトする3品。ラディッシュ、モンサンミッシェルのムール貝、キャビア。
ピサラディエールフリット。トリュフ、ラルド、ミントが乗る。
パンも美味しい。全体に結構なボリューム感があるので、パンセーブ。
さてここからコンパリジョンのスタート。手前は、熊本の塩トマトのスパイスマリネ。スープ状のものは、とちおとめのムース。赤が鮮やかな一皿はトマトとイチゴのマッチングが実にいいし、ハーブ類のアクセントも絶妙。
比較対象として、鰆の塩トマトジュレ フェイジョアヴィネグレット。軽く炙った鰆にトマトジュレが伸ばして固めてある。ツルリとした食感の後に、鰆の脂とトマトの酸味が程よく広がる。
続いては、鱈の比較。鱈のコンフィにインカの目覚めのソース、ガーリックムース添え。
比較するのは鱈の白子。フリットにし、紅芯大根のソースとトリュフ。
印象的だった白。
雉のブルーテは、内蔵や骨まで使ったもの。内腿肉のロティが乗る。
楽しく美味しい時間。
赤はどうしても進んでしまう。
妻が選んだメインは、シャラン鴨。
鹿内腿肉の3週間熟成がやはり圧倒的に美味しい。
カルトもあるので、3度目くらいからは好きなものを食べるのもいいかも。
デザートはバニラアイスと温かいイチゴのエクラゼ。
こちらもイチゴなのだ。この下に隠れているイチゴの酸味とサクサクの食感を楽しむ。
五郎金時とショコラのパフェ。
エスプレッソで締めて大満足。1人20,000円弱なり。また来たいぞ。
ア・ニュ (フレンチ / 広尾、恵比寿)
★★★★☆ 4.0
予算:20,000円
広尾・フランス料理「a nu retrouvez-vous(ア・ニュ)」
03-5422-8851
渋谷区広尾5-19-4 SR 広尾ビル 1F